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2013年7月

2013年7月18日 (木)

そこにキミがいること

 
 ここのところブログからは遠ざかっていますが、今日はどうしても書いておきたいことがあります。

 犬と人の千年に及ぶ付き合いには理由があるのでしょう。一方的に、人が犬の面倒を見ているわけではありません。人は犬から計り知れぬほどの恩恵を受けているのです。
 これはおそらく犬を飼っていない人にはわからないでしょう。私もリーフと一緒に生活するようになってから実感したことです。そして、その恩恵は多大の犠牲を伴います。

 通勤には車で45分ほどかかりますが、なるべく人家の密集しているところを避けています。低地を盆地状に田んぼが細長く広がり、牧場、雑木林、自然公園に囲まれているところがあります。そこを通るようになり始めたころ、仔猫が捨てられていたことがありました。そして二週間ほど前から、今度は若い犬を見かかるようになりました。

 近くのコンビニへ走り、犬が食べられそうなものを購入し再び戻りました。私が近付くと犬は逃げてしまい、仕方がないので、近くに食べ物を置いて車に引き揚げると、戻ってきて食べている姿が見えました。

 二回目に会った時には二匹いました。どちらもガリガリにやせており、やはり私のことを警戒して、近づくと走って逃げます。しかしその走り方はおぼつかない。無理をしないでください。前回と同じように食べ物を置いて引き揚げました。車に戻り望見すると彼らが食べているのが見えました。うれしかったですが、このようなことをしてもどうにもならないことは分かっています。

 
 そして今日、最後のお別れをしました。私は明日から長期の出張です。もう会うことはないでしょう。あちこち探しましたが、一匹だけしかいませんでした。逃げる気力も失せたのか、私が近づいても伏せたままです。食べ物をとりだすとよろよろと近づいてきました。よく見ると腰のあたりは拳ほどの太さしかありません。背中のあたりは毛が抜け、黒いゴミがあちこちに付いていました。ありったけのものを差し出しました。食パン四枚、先日購入した袋入りのドッグフードの残り全部、桃缶ほどの大きさの生タイプのドッグフード二缶。

 それらを差し出すと、手元まで彼は寄ってきて、私の手をぺろぺろと舐めました。やっと触れ合うことができました。「ほんとはやさしいワンちゃんなんだね。せめて今晩だけはお腹いっぱいたべて楽しい夢を見てください。」 その場を去ると、空腹なはずなのに食べることを忘れ、いつまでも、いつまでも私のことを見ていました。振り返りながら何度も別れを告げました。

 車まで戻り眺めてみると、夕暮れ色に背景の林は染まり、ずーっと拡がる田んぼと田んぼの間のあぜ道に、小さいけれど、衰弱しているけれど、がんばって立っている彼が見えました。それはとても凛々しい姿に見えました。絵になっているなと他愛もないことを思っていると、とめどなく涙があふれ出てきました。歳をとると涙腺が緩くなっていけません。

「せっかく生まれてきたのに巡り合わせが悪かったね。リーフのことを大切に、大切にします。それが私にできる唯一の罪滅ぼしです。ありがとう。」
 
 

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